飛行機エピソード 3    byおかずの父

 エピソード1、エピソード2の後、おかずの大学受験等で、しばらく家族で出かけることもなかった。

2011年12月。おかずの進路が決まり、世界遺産である沖縄の城(グスク)群を見に行くことになった。

2011・12 

今回の沖縄旅行には、二つの意味があった。
一つは、夫婦共に勤続○○年の記念でもらった旅行券があるのだが、その消費のため。(旅行券なのに使用期限があって、今年いっぱいまでが期限になっている。)
もう一つは、我が息子「おかず」の進学先が決まり、以前から行きたがっていた、世界遺産にも登録されている沖縄の城(グスク)跡群を見に行く機会ができたこと。

まあ、クリスマスをはさむ連休(真冬)なので、暖かい地方がいいな〜というのもあった。

ということで、いつもなら航空券からホテルの予約まで自分で行うのだが、今回は近所の大型スーパーに入っている旅行代理店を通じての契約となった

出発の数日前に精算を済ませ、その時QRコードの付いた航空券引換券やら、ホテルの予約券等をもらった。
旅行代理店の人は、帰りの飛行機の座席は指定出来たので、3人(私=160、妻、息子=おかず)が横並びになるように取ったということだった。
しかし、行きは事前に予約できる枠がいっぱいなので、当日空港のカウンターで空いている席の中から決めるようにと言われた。

で、当日。
10:30発の飛行機に乗るべく、8時過ぎには家を出て、車でセントレア(中部国際空港)近くの民間駐車場へ。
多少道に迷いながらも、9:40頃にはたどり着いた(以前あったコンビニがつぶれてしまい、目印がなくなっていた)。
早速、空港まで送ってもらい、預ける荷物のセキュリティーチェックを通って、A社のカウンターに着いたのが10:00ちょっと前だった。

そこまではいつも通りで、次もいつも通りに荷物を預けて航空券をもらい・・・のはずだった。

ところが、GH(グランドホステス)さんからは意外な言葉が・・・
「お客様申し訳ございませんが、ただいまこの便は満席で、お席が確定できない状態です。最悪の場合は、次の便でのご出発をお願いすることになります。その場合、協力金としてお一人1万円を差し上げます。・・・」
という、説明だった。

「え〜!、どうして??予約してあるのに、この便に乗れないの?」と私(ごく当然の反応)。

すると、こんな説明が。
「座席の数以上に予約を承ってございまして・・・当日のキャンセルがないと・・・」
細かい説明は忘れてしまったが、要するにこういうことであった。
100席に対して、105席分の予約を受けてしまっている。事前の座席指定以外の席が空いていないので、今の状態だと席が空いていないので乗れない。
10:15過ぎになると、事前の座席指定のキャンセルが分かるので、そうしたら乗れる可能性が出てくる。


「え〜!(二度目の驚愕)。予約してあるのに、キャンセル待ち扱いって、何それ???」(できるだけ、穏やかに話したつもりだが、かなりきつめに言っていたかもしれない。)

なかなかカウンターでのやりとりが終わらないので、見に来た妻も事情を知って同意見を主張する。

しかし、A社のGHさんは、すみませんを繰り返すばかり・・・
まあ、この人に怒っても仕方がないのかもしれないが、とにかくなんとかして欲しいと頼むしかない。

「絶対にこの便に乗れるようにしてください。」
とお願いし、しばらくは待つことに・・・


10:20頃に、PCの端末をず〜と操作していたGHさんが、やっとチケットを持って来てくれた。
「お席が取れました。3人並びではなくてすみませんが、よろしくお願いします。」

軽くお礼を言って、「でも100人分の座席に対して、105人分の予約を取るなんて、そういうシステム自体がおかしいでしょ〜。」と文句も言ってしまった。(できるだけ穏やかに)
GHさんも「私自身も、そう思います。」と言っていた。
上がちゃんとしないと、現場は大変だ〜〜。まあ、どこも同じだな・・・って感じた。


さて、セキュリティーチェックを済ませ、機内に乗り込んだ。
機材は、エンジンにイルカの絵が描いてある737−500なので、左右3列ずつの並びになっている。
私とおかずが前から数列目の通路側2席に座り、妻は後方十数列目の通路側に座った。

満席だという話通り、席は埋まっていたが、なぜか私とおかずの前の席が3席横1列に空いたまま。
乗務員がドアを閉めて、携帯機器の電源を切るように言っても空いているのを確認して、CAさんを呼んで、席を替わりたい旨を話す。

すると、重心のことが関係するので、離陸までは今の席でいて欲しいと言われた。
そこで、水平飛行になり、ベルトのサインが消えてからCAさんに言って、席を替わった。
妻は、CAさんが呼んできてくれた。
やれやれ。
その後は、いつもの通り、家族3人横一列での空の旅を楽しんだ。


A社は国内第2位の会社である。J社が一時期経営不振になったときは、実質国内1位の会社だった。
私は以前から、国内線はA社。国際線はJ社が一番いいと思っていた。
それだけに、今回のことは非常に残念である


原因は、格安航空会社が後発でたくさん現れたからであろうか。
格安航空会社に負けないように、コストダウンを強いられ、その結果、空席をできるだけ減らすために座席以上の予約を受け付けるようになったのだろう。

しかし、今回のような不便までは受け入れられない。

格安航空会社を歓迎する、または容認する人が世の中にはたくさんいるが・・・
価格破壊とは、同時に「安心」というシステムまで破壊していると思う。
安ければなんでもOKという人々がいるが、そういう人々は、やがてそのツケが自分に回ってくるまで自分の誤りに気がつかない。

自由競争、価格破壊・・・それらがすべて善で、競争のない世界、一定の価格水準は悪だと決めつけている人々がいるけれど、超えてはいけない一線は絶対にあると思う。

2011年の年末に、いろいろと考えさせられる事件だった。


  


ところで、昔は磁気情報を読み取っていた搭乗券が、今はQRコード方式を読み取る方式に変わっているのに気づいた。
搭乗口での搭乗券の通し方も変わっていた。
昔は、磁気券を切符のように通していた。
ところが、今は読み取り装置にかざすだけでいい。名古屋市交通局のマナカのように・・・

ただ、チケットが薄い紙なので、読み取り装置にかざしてもうまく読み取れないことがある。
そこで、かざすときに、GHさんがチケットの上からそっと手を置いて、紙が密着するようにしてくれる。

業務を効率化するためのお仕事なのだろう。
しかし、通過するお客全員に、かざす度に手を当てている、そのしぐさがおじさんにはとっても萌え〜〜であった(*^_^*)

チケットを持っている私と、読み取り装置の上で、そのチケットのQRの部分を押さえているGHさんと、まるで共同作業のようで・・・(^o^)