海上釣り堀

 本格的な海上釣り堀初体験は、2002年7月に友人3人と行った三重県南勢町礫浦の「辨屋」でした。
初釣果は、朝一、活きアジで釣れたマダカ(スズキの若魚)でした。一緒に行った仲間のウキが無反応な中、私のオレンジのサビキウキが海中に沈み込んだ瞬間の感動は今も忘れません。
 その後、甘エビでタイがぽつぽつ釣れ、冷凍イワシと活きアジでワラサが釣れたり、金魚でカンパチが釣れたりと、本当に楽しい一日でした。
 それ以来、海上釣り堀にハマってしまいました(^o^)

1 海上釣り堀
 知らない人は、「釣り堀なら入れ食いだよね。」とよく言いますが、それほど甘くはありません。さすがにボウズということは少ないですが、天候や釣り方によって釣果に大きく差が出ます。
 堤防釣り等、他の釣りで養ったカンとテクニックが大きくものをいいます。

2 料金
 大人1日1万円が相場ですが、5千円の所や、2時間3千円で持ち帰りの匹数が制限されている所もあります。

3 釣り堀の選択
 放流されている魚を釣るわけですから、どんな魚が放流されているか、日々どれくらい釣れているのかをしっかり調べましょう。1万円は決して安くはない投資ですから。(交通費やエサ代等を含めると、私の場合1回につき2万円前後の投資になる。)
 一般に、広いイケスを使っているところは、釣れる場所が決まってしまっています。特にタイやイサキは網際に寄っていますので、それ以外の場所ではなかなか釣れません。
 10m四方程度のイケスなら、どこでも釣れますが、日によって、やはりタイの寄る場所に差が出ます。

 また、混んでいても釣果が上がればよい人と、釣果はイマイチでも、空いていてのんびり釣りたい人とでは釣り堀の選択を変えた方がよいでしょう。

4 釣り方
 一般にはウキ釣りですが、食いの悪い時は、底をしっかり取って(底は網なので下手をすると根掛かりする。)ミャク釣りします。

↑私のウキ。安物ばかりですが、なるべく感度のよい長めの棒ウキ(2号〜3号)を使っています。風の強い時は一番下の短いものを使います。

←活きアジを付ける時は、オモリを追加するので、サビキ用のウキを使います。アジの動きがウキに出るようではどうしようもないので、8号〜10号程度を使っています。

 ウキ釣りの場合、たいてい底の網から50cm上(網まで8mなら、7m50)に棚をとって釣ります。
 ミャク釣りの場合は、釣り堀用のオモリで竿先の水深を確認して、底から50cm上で釣ります。

 ウキ釣りは、広く探ることができる利点がありますが、誘いが掛けられないという欠点があります。
 ミャク釣りは、竿下しか探れませんが、竿を上下に動かして誘いができるという利点があります。
 どちらがいいかは、好みの問題ですが、当日の状況(天候、周囲の人の釣果)で使い分けます。

 なお、リールに巻く道糸は値段が高くても、PEライン(3号〜5号)がお薦めです。ナイロン糸は太くなると、糸よれが出てとても使いにくいものです。特に寒い時期は、どうしょうもないくらい糸ぐせがついてしまいます。

5 エサ
  釣り堀の魚は、養殖物がほとんどなので、野生の魚とは少し食性が違います。いろいろ試してみると面白いで しょう。

  一般的には
  タイ、イサキ→甘エビ、ウタセエビ、シラサエビ、アオイソメ、冷イワシ、カボチャ団子、生ミックなど
           その他、巨峰やミカン、スナック菓子で釣れたという話しもあります。
           また、友人は金魚でタイを釣りました。一度ならず二度までも。

  青物(ワラサ、カンパチ、ヒラマサ等)→活アジ、冷イワシ、金魚、ウタセエビ、サンマの切り身など

  魚は、甘みや発酵臭(アルコール)が好きなようで、冷凍エサはそのままでもいいですが、味付けして(ハチミツや焼酎に漬け込んでおく)から使うとよく釣れることがあります。

  重要なのは、
  釣り堀の魚は狭いイケスの中にいますので、他の魚が釣られたエサはすぐに食わなくなります。そこで、数種 類のエサをローテイションして、上手に魚をだまして釣果を伸ばします。
  また、同じイケスの他の釣り人の、今のエサは何かを常に把握しながら、自分のエサの選択を考える必要もあ ります。

6 避けたいこと
 釣り堀は狭い場所ですので、気を付けたいことがいくつかあります。
 ・一匹バラすと、イカダ全体の活性が下がります。太いハリスで確実に掛けた魚は釣り上げること。
 ・オマツリしやすいので、青物を掛けた人がいたら周囲の人は仕掛けを上げ協力すること。
 ・大きな声で話したり、音を立てたりしないこと。

7 ちょっとした工夫(160の場合)
 
 ・ミャク釣りするためには、水深計付きリールが必要ですが、私の場合、スピニングリールでウキ釣り仕掛けのま ま、ウキだけ極小の玉ウキにチェンジします。
  竿先から仕掛けを下ろし、玉ウキが沈み始めたところで止めます。
 ウキ釣りに戻したい時は、玉ウキを棒ウキにチェンジするだけでOKです。
           ←玉ウキとスイベル
 
 ・青物用の竿とタイ用の竿は、別の竿を持っていって、途中でチェンジするのが一般的です。しかし、時として予 想外のことが起こります。(タイ用の細竿・細仕掛けに青物がかかる)
 最初から青物用の竿であれば何の問題もありません。しかし、青物用は穂先がやや硬いのが難点です。

  そこで、ミャク釣りにする時はリールから最初のガイドの間の糸を手で少し引っ張って持ちます。手に伝わる微 妙なアタリを感じ取り、必要に応じて糸を送り出します。食いの渋い時には有効です。
  また、糸を持った手を適度に動かして、誘いを掛けるのも簡単にできます。

 ・ハリスは2.5号〜7号を日によって使い分けています。同じイカダの上に人が多い時は、太いハリスにして強 引に浮かせますし、すいているときはやや細めのハリスを使ってなるべくエサを自然に動かし、食いをよくしゆっ くりとやり取りしながら浮かせます。
  放流時には糸の太さに関係なく、魚は食いついてきますので、手替えしよく釣るためにも太ハリスで強引に浮 かせます。

  ただし、太ハリスの場合は根掛かり厳禁です。なかなか切れなくて、道糸を切るしかない場合もあります。注  意しましょう。特に、トイレ等へ行く場合は海流や、網の吹け上がりで横網に根掛かりする可能性も含めて注意 が必要です。
 ←頻繁に釣りに行く人は、もっと安めのハリスの方が良いかも?また、手に入るなら、ナイロンハリスの方がしなやかで、自然にエサが流れる気がします。(フロロは硬い、まるで針金のようです)
 強度の問題もありますが、堤防のクロダイ釣りではナイロンハリスの方が食いが良い気がします。

 ・活アジを使う時は、あまりアジが泳がないようにオモリをハリスに追加しますが、エサを換えた時にそのまま使 えるように、「王様印のフリーシンカー」を使っています。構造は、ゴム管をハリスに通して楊子で固定し、オモリ には切れ込みが入っていて、ハリスの上から簡単に脱着可能なものです。
              

 ・釣り堀に慣れた魚は、なかなかエサを食い込みません。くわえるだけだったり、追ってくるだけだったりします。 そうした魚を如何に食わせるかが面白いのですが、ハリ先の鋭いハリにするのも方法です。スレ掛かりでも釣  れないよりはましですから。

 ・浮かせた魚はタモですくい、タモから直接スカリに入れています。手でさわると魚が弱るのと、大物が暴れた場 合イカダの外に放流してします可能性もあります。

 ・ハリを飲み込んでしまった魚は、ハリスを20cmくらい残して(長いとスカリの中で絡まるし、短いと持ち帰った  時どの魚にハリがあるのかわからなくなってしまいます。)切ってしまいます。強引にハリスを引っ張って取ろうと したり、もたもたしていると魚は死んでしまいます。夏場など、死んでしまうと極端に鮮度が落ちてしまいます。
  終了時間まで、スカリで活かしておくのがベストです。

 ・堤防等を利用した釣り堀の中には、底が網でなく、自然の海底そのままの所があります。
  そうした場所では、投げ釣り仕掛けで釣るのも方法です。
  底にエサを着けていれば、ハリスは見えませんし、底に沈んでいるエサは違和感なく食います。
  普段、ハリから外れたエサや、釣り人が落としたエサは底に沈み、魚はそれらのエサは安全だと学習している はずです。

        
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